不動産売却でかかる税金は?譲渡所得税の計算方法も解説

不動産の売却を検討するなかで、「結局いくら手元に残るのか」「税金はどのくらいかかるのか」と不安を感じていませんか。
売却益にかかる譲渡所得税の仕組みは複雑で、正しい知識がないまま進めてしまうと、本来払わなくて良い税金まで負担してしまうリスクがあります。
本記事では、譲渡所得の基本的な計算式をはじめ、取得費や譲渡費用として計上できる経費の範囲などのポイントを解説します。
売却後の資金計画を正確に立て、スムーズに手続きを進めたい方は、ぜひご参考にしてください。
- この記事の要点
- Q:不動産売却で譲渡所得を計算したいのですが、購入時の書類がない場合はどうすればいいですか?
- A:購入時の契約書や領収書が見つからない場合は、売却額の5%を概算取得費として計算する方法があります。
実額の取得費を確認できないと譲渡所得が大きく出やすいため、まずは売買契約書や仲介手数料の資料を探すことがポイントです。
概算取得費と実額のどちらが適切かで税額が変わることもあるため、売却前の段階で弊社にご相談ください。
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不動産売却における譲渡所得の計算方法

不動産売却で利益が出た際、計算の基礎となる譲渡所得の仕組みには主に3つの要素があります。
まずは、譲渡所得の基本となる計算式や、構成要素について解説していきます。
定義と基本の計算式
譲渡所得とは、土地や建物を売却した際に生じる利益のことで、給与などと分けて計算する分離課税が採用されています。
まずは、以下の計算式で売却益を正しく把握することが大切です。
「譲渡所得=譲渡収入金額-(取得費+譲渡費用)」
この式でおおよその利益を算出したうえで、マイホーム売却時の3,000万円特別控除など、使える特例があれば差し引いていきます。
最後に、所有期間に応じた税率を掛けて、税額を求める流れになります。
各項目の役割と仕組み
まず計算の出発点となるのが「譲渡収入金額」で、基本的には買主から受け取る売買代金が中心になります。
あわせて、固定資産税や都市計画税の精算金のうち、引渡し後の負担分を受け取る場合も収入金額に含めて整理しましょう。
次に確認したいのが「取得費」と「譲渡費用」で、ここを正しく分けることが計算のポイントになります。
取得費には購入代金や購入時の仲介手数料、各種税金などが含まれ、購入時にかかったコストをまとめるイメージです。
一方で、譲渡費用には売却時の仲介手数料や印紙税などが該当し、売るために直接かかった費用を整理していきます。
収入と費用を表にして左に収入、右に費用を並べておくと、確定申告の際も落ち着いて入力できるようになります。
減価償却と税率の注意点
建物は時間が経つにつれて価値が減少するため、取得費は購入額から「減価償却費相当額」を差し引いて計算します。
減価償却とは、建物の価値の減少分を毎年の費用として配分する考え方です。
一方で、土地は年数が経過しても価値が変わらない資産であるため、購入代金がそのまま取得費となります。
また、税率は不動産の所有期間によって以下のように異なります。
●所有期間5年以下(短期譲渡所得):39.63%
●所有期間5年超(長期譲渡所得):20.315%
なお、これらの期間判定は、売却した年の1月1日時点でおこなわれます。
相続や贈与で取得した場合は、前の所有者の取得時期や取得費を引き継ぐことができるため、ご家族の資料も合わせて確認しておきましょう。
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取得費に含まれる費用の範囲と計上方法

前章では、譲渡所得の計算方法を述べましたが、実際の計算では、どの費用を経費にできるかが重要となります。
ここでは、取得費に含まれる具体的な費用や、計上のルールについて解説します。
算入できる費用の具体例
取得費は、不動産の原価にあたる重要な部分であり、諸費用も漏れなく計上することで正しい税額計算につながります。
具体的には、購入時の仲介手数料や登録免許税、不動産取得税、売買契約書の印紙税などが取得費に含まれます。
さらに、物件の価値を高めるために支出したリフォーム費用や、借り入れ時に支払ったローン保証料も対象です。
ただし、同じローン関連の支出でも、利息は資金を利用する対価にあたるため、取得費には含められない点を理解しておくことが大切です。
領収書保存と計上時期
取得費として認めてもらうためには、契約書や領収書など、支払いの事実を証明する書類の保管が欠かせません。
紙の領収書は、封筒などに「購入年」をメモしてまとめておくと、売却時にすぐ取り出せて便利です。
また、振込の控えやクレジットカードの明細も、支払いを裏付ける重要な資料となります。
確定申告は売却した翌年におこなうため、少し前の書類でもすぐに見つけられるよう、保管場所を工夫しておきましょう。
書類整理の際は、日付・項目・金額をリスト化し、合計額がひと目でわかるようにしておくと、申告書の作成がスムーズに進みます。
さらに、電子データで保存する場合も、撮影日や内容がわかるファイル名にしておくと、管理しやすくなります。
概算取得費と法改正
昔に購入した不動産で資料が見つからない場合は、「概算取得費」という方法を使って計算を進めることができます。
これは売却額の5%を取得費とみなす仕組みで、実際の取得費がわからなくても、譲渡所得を算出できる点が特徴です。
令和元年の改正によって、取得費が不明なケースの取り扱いも整理され、実務上の判断がしやすくなりました。
一般的には実額で計算できる方が有利になりやすいものの、資料がない場合は概算取得費を活用するという選択肢があります。
なお、どちらが有利か迷った際は両方で試算し、不動産会社の担当者に相談しながら進めると、納得感のある申告準備につながります。
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譲渡費用になる経費とならないものの違い

ここまで、取得費に含まれる費用について解説しましたが、売却のために直接かかった費用についてもおさえておきましょう。
最後に、譲渡費用として認められる経費と、認められない経費について解説していきます。
計上可能な代表的経費
譲渡費用とは、不動産の売却を成立させるために直接かかった費用のことです。
これを差し引くことで、課税対象となる譲渡所得を抑えられます。
代表的なものとしては、売却時の仲介手数料や売買契約書の印紙税が挙げられます。
そのほかにも、土地の測量費や更地渡しに伴う建物の解体費用、貸家を売却する際の立退料や広告料なども対象です。
いずれも売却に直結する支出として認められるため、漏れなく整理しておくことが大切です。
なお、支払先が複数に分かれる場合もあるため、見積もり書と請求書をそろえて保管し、支払日をメモしておくと後の集計がスムーズになります。
計上不可の誤りやすい例
一方で、売却に関係しているように見えても、譲渡費用には含められない支出もあるため、あらかじめ整理しておくことが大切です。
たとえば、住宅ローンの元金返済や利息、固定資産税や都市計画税などは対象外になります。
また、引っ越し費用やハウスクリーニング費用、通常の修繕費なども、原則として譲渡費用には算入できません。
これらは生活費や資金計画の一部として考え、譲渡所得の計算とは切り分けて管理していきます。
判断に迷った際は、「売却に直接必要だったかどうか」という基準で見直し、必要に応じて担当者へ相談すると整理しやすくなります。
証憑管理と申告のコツ
譲渡費用を正しく申告するためには、領収書や契約書などの証憑を保管しておくことが欠かせません。
これらは税額計算の根拠になる書類であり、後から内容を確認する際の重要な手がかりにもなります。
また、確定申告では譲渡所得の内訳書に項目ごとの金額を記載するため、日頃から支出内容を整理しておきましょう。
さらに、決済時の精算書もあわせて保管し、担当者と内容を確認しておくと、認識のずれを防ぎやすくなります。
書類の保管場所や整理の順序をあらかじめ決めておくことで、忙しい時期でも落ち着いて手続きを進めやすくなります。
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まとめ
売却益である譲渡所得は、収入金額から取得費と譲渡費用を差し引いて算出し、所有期間が5年以下か超かによって異なる税率が適用されます。
節税の要となる取得費は、購入代金や諸費用を実額で計上するのが基本ですが、資料紛失時には売却額の5%を概算取得費として計算します。
売却に直接要した費用のみが譲渡費用として認められるため、生活費と明確に区別し、確定申告に備えて領収書などを整理しておきましょう。
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