負動産を相続したら?売却や放棄の手続きも解説

ご両親から相続する予定の実家や土地が、将来的に金銭的な負担になるのではないかと不安を感じてはいませんか。
資産価値が低く、所有しているだけで固定資産税や管理費がかさむ不動産は、いわゆる「負動産」となって家計を圧迫し、放置すればさらなるトラブルを招く恐れがあります。
本記事では、負動産の定義や発生背景といった基礎知識から、売却・空き家バンク・寄附を活用した処分の方法、リスクを回避するための相続放棄の手続きまでを解説します。
将来の負担を未然に防ぎ、スムーズに資産を整理したいとお考えの方は、ぜひご参考になさってくださいね。
- この記事の要点
- Q:負動産を相続しそうなときは、売却と相続放棄のどちらを先に検討すべきですか?
- A:まずは相続放棄の可否を含めて全体を確認し、そのうえで売却の可否を判断するのが基本です。理由は、放棄には期限があり、先に財産を処分すると相続の意思ありと見なされるおそれがあるためです。固定資産税や管理費、権利関係も早めに調べたうえで、判断に迷う場合は弊社にご相談ください。
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負動産とは

相続における大きな悩みとなる「負動産」について、その実態を正しく理解する必要があります。
まずは、負動産の定義や所有し続けるリスクについて、解説していきます。
負動産の定義と背景
負動産とは、所有しているだけで支出が続き、相続時に判断が難しくなりやすい不動産を指す言葉です。
かつては土地神話の影響で、不動産は保有していれば、価値が上がる資産として捉えられていました。
一方で、近年は人口減少や少子高齢化により世帯数の伸びが鈍化していますが、住宅数は多い状態が続いています。
とくに、地方では若い世代の都市部流出が進み、実家を受け継いでも住む予定が立てられず、空き家になるケースが増えています。
その結果、売却に時間を要する物件が残りやすくなり、所有者が早い段階で活用や整理を検討する流れが強まっているのです。
所有に伴う金銭的負担
不動産を所有している限り、固定資産税や都市計画税が毎年発生するため、税負担の全体像を把握しておくことが大切です。
固定資産税は1月1日時点の所有者に課税され、評価額に標準税率1.4%を乗じて算出され、納税通知書で確認できます。
住宅用地には軽減特例があり、200㎡以下の小規模住宅用地では課税標準が6分の1となりますが、市町村から勧告を受けた管理不全空家等と判断されると対象外となります。
また、一戸建てでは通風や清掃などの管理が必要で、遠方の場合は、交通費と管理業者の費用を比較して方法を選ぶと良いでしょう。
マンションでは、管理費や修繕積立金が継続的にかかるため、将来の改定も見据えて維持費を家計計画に組み込むと安心です。
空き家放置のリスク
空き家は、適切に管理することで地域の安心につながりますが、放置期間が長くなるほど注意点が増えていきます。
老朽化が進むと、台風や地震時に部材落下のリスクが高まるため、定期的な点検で安全性を保つことが重要です。
また、雑草の繁茂やゴミの散乱は周辺環境に影響しやすく、清掃や見回りを続けることが近隣への配慮につながります。
制度面では、管理不全空家への区分新設により、早い段階から指導や勧告がおこなわれ、税負担が変わる可能性もあります。
このように、将来的な行政対応や賠償責任のリスクも踏まえ、早めに管理方針を定め、売却や活用を含めて検討しましょう。
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負動産を処分する方法

前章では、負動産を所有するリスクについて述べましたが、実際に手放すにはどのような手段があるのでしょうか。
ここでは、負動産を処分するための3つの方法について解説します。
不動産売却の流れ
不動産売却を検討する際は、登記名義や境界の状況を確認し、必要書類を整えるなどの準備から始めましょう。
まずは不動産会社に査定を依頼し、周辺相場や建物状況を踏まえた価格や売却方針の提案を受けます。
その後、内容に納得できれば仲介契約を結び、売却計画を立てたうえで買主探しへと進みます。
買主が決まった後は売買契約を締結し、手付金の受領や引渡し日程を調整しながら、残代金の受領と物件引渡しをおこう流れです。
なお、仲介は成約までに時間を要する場合もありますが、買取であれば手続きが簡潔なため、状況に応じて選択すると良いでしょう。
空き家バンクの活用
空き家バンクは、自治体が空き家情報を登録し、利用希望者とつなぐ仕組みとして全国各地で活用されています。
登録時には、所在地や建物状況の確認がおこなわれることが多く、必要書類を事前に準備しておくと手続きが進みやすくなります。
その結果、利用希望者は移住や二拠点生活を目的とすることも多く、地域での暮らしに関心の高い層へ情報を届けられる点が特徴です。
自治体によっては、改修費用や家財処分への支援制度が用意されており、活用できれば資金計画が立てやすくなります。
一方で、見学や条件調整の流れが定められている場合もあるため、余裕を持ったスケジュールで進めましょう。
自治体などへの寄附
自治体や公益法人への寄附は、不動産を無償で譲渡し、地域の活性化や有効活用につなげる前向きな選択肢です。
受け入れには条件が設けられることが多く、権利関係や隣地との境界が明確であることが求められます。
建物がある場合は、解体の要否や維持管理の考え方について、事前に確認しておきましょう。
さらに、税制面では寄附金控除が適用されるケースもあるため、要件を整理したうえで手続きを進めることが大切です。
売却との比較では、将来の管理負担と家計計画を踏まえ、専門家の助言を得ながら無理のない方法を選ぶと良いでしょう。
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相続放棄の手続きの流れと判断基準

ここまで、負動産の処分方法を解説しましたが、そもそも相続しないという選択肢があることも把握しておきましょう。
最後に、相続放棄の手続きや判断基準について、解説していきます。
相続放棄の基本ルール
相続では、預貯金や不動産などのプラスの財産だけでなく、借り入れ金といったマイナスの財産も含めて引き継ぐ点を、理解しておく必要があります。
相続放棄は、手続きをおこなうことで相続人としての立場を手放し、最初から相続人でなかったものとして扱われる制度です。
申述には期限があり、相続の開始を知った日から原則3か月以内に、家庭裁判所へ手続きを進めなければなりません。
具体的には、申述書の作成と戸籍謄本などの書類を準備し、提出後に照会への対応を経て受理される流れとなります。
なお、期限間近になると対応が慌ただしくなりやすいため、早めに専門家へ相談し、段取りを整えておきましょう。
放棄前の財産調査
相続放棄を検討する前には、預貯金や保険、証券などの資産を一覧にし、全体像を正確に把握することが欠かせません。
あわせて、借り入れ金の残高や連帯保証、未払いの税金や管理費といった負債も確認し、見落としを防ぐことが大切です。
不動産がある場合は、登記簿で抵当権の有無を調べ、固定資産税や管理費など今後の維持費も具体的に整理しておきましょう。
また、相続財産を処分すると相続の意思があると判断される場合があるため、売却や解体は方針が固まってから進めると安心です。
判断に迷う場合は、遠方物件の情報収集や家族との共有をおこない、必要に応じて専門家の助言を得ながら進めると良いでしょう。
放棄後の影響と相談
相続放棄が受理されると、相続権は次の順位の相続人へ移るため、関係者には早めに共有しておきましょう。
なお、放棄した方が財産を現に占有している場合には保存義務が生じ、施錠や通風など最低限の管理が求められます。
すべての相続人が不在となった場合は、家庭裁判所により相続財産清算人が選任され、財産整理が進められます。
また、共有名義の不動産や相続人が多いケースでは判断が複雑になりやすいため、専門家の助言を受けると安心です。
あわせて、不動産会社にも相談し、法務と実務の両面から整理すると、売却や管理の選択肢をスムーズに検討できるでしょう。
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まとめ
負動産とは、所有するだけで金銭的負担が生じる不動産を指し、放置すると税負担の増加や近隣トラブルにつながるため、早めの対応が重要です。
手放す方法には売却や買取のほか、空き家バンクの活用や寄附もあり、状況に応じて選択肢を整理することが大切です。
相続を知ってから原則3か月以内であれば放棄の手続きも可能なため、財産調査を踏まえ、専門家の助言を得ながら判断しましょう。
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