不動産を共有持分で相続するには?よくあるトラブルも解説

不動産を共有持分で相続するには?よくあるトラブルも解説

将来実家などの大切な不動産を相続する予定があるものの、ご兄弟など複数人でどのように権利を分け合うべきか、悩んでいませんか。
安易に共有名義にしてしまうと、将来的に売却や活用を考えた際に意見がまとまらず、ご親族間で深刻なトラブルに発展するリスクがあります。
本記事では、不動産の共有持分という仕組みのルールから、共有状態でできることとできないこと、さらに起こりうるトラブルとその対処法について解説します。
これから複数人での不動産相続を控えており、トラブルを未然に防いで大切な資産を守りたい方は、ぜひご参考になさってくださいね。

この記事の要点
Q:相続した不動産の共有持分は、あとから単独名義にできますか?
A:相続した不動産の共有持分は、共有者全員の合意があれば単独名義に整理できます。売買や贈与、遺産分割協議の見直しなどで持分を移す必要があるためです。税金や登記の確認も必要なため、早めに弊社にご相談ください。

共有持分とは

共有持分とは

不動産の相続にあたっては、共有持分の基本をおさえる必要があります。
まずは、共有持分の仕組みや取得のパターンについて、解説していきます。

共有持分の基本的な定義と仕組み

共有持分とは、1つの土地や建物を複数人で持つ際に、それぞれの所有権の割合を示す仕組みです。
不動産を物理的に切り分けるのではなく、全体に対する権利を割合で分けて共有します。
そのため、持分が3分の1でも原則は家全体を使えますが、単独で使いたい場合は共有者と事前に話し合うことが大切です。
使用範囲や使い方は、誰がどのように使うかを協議で決めておくと、日々の利用がスムーズになるでしょう。
持分が明確でないと、同じ割合とみなされることもあるため、登記で明確にしておくと将来の手続きも進めやすくなります。

持分の決まり方と登記の重要性

相続で持分を決める際は、まず遺言書があるかどうかを確認し、ある場合は原則としてその内容に沿って進めます。
遺言がない場合は、法律で定められた相続分を目安にしつつ、相続人全員の話し合いで持分を決めていく流れです。
一方で、不動産を共同購入する場合は、基本的に出資した割合に合わせて持分を設定します。
このときは購入代金だけでなく、諸費用やローンの負担も含めた実際の負担を整理してきます。
負担割合と違う持分にすると、差額が贈与と見なされて贈与税が発生することもあるため、慎重に決めましょう。

不動産が共有状態になる取得例

不動産が共有になるきっかけは、主に相続・贈与・共同購入の3つに分けられるため、状況を整理してみましょう。
相続では、遺産分割の話し合いがまとまらず、いったん共有名義で登記するケースも見られます。
贈与では、夫婦間で持分を渡すなどの場面で共有になることがあります。
また、共同購入は、夫婦や親子で費用を出し合い、住宅ローンを組んで購入する場合などが代表例です。
ただし、共有は将来の家族構成や住まい方が変わると、意思決定が進みにくくなることもあります。
そのため、取得時に持分を整理し、共有者同士で方針を確認したうえで、関係書類もまとめて保管しておくことが大切です。

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共有持分でできることと制限される3つの行為

共有持分でできることと制限される3つの行為

前章では共有持分の基本的な仕組みについて述べましたが、具体的に何ができるのか、気になりますよね。
ここでは、共有持分でできることと、制限される行為の範囲について、解説します。

単独で可能な保存行為

共有不動産の行為は、大きく保存・管理・処分の3つに分けられます。
まず、保存行為は不動産の状態を保ち、損傷や被害の拡大を防ぐ行動です。
たとえば、雨漏りの応急処置や鍵の交換など、急いで手当てしたい作業が該当します。
保存行為は、他の共有者の同意がなくても単独で進められるため、緊急時に動きやすい点が特徴です。
また、不動産を所有する方に毎年かかる固定資産税の納付も、保存行為として扱われることがあります。
修繕費や税金を立て替えた際は、領収書を残しておき、あとで共有者間で精算できるようにしておきましょう。

持分の過半数で決まる管理行為

管理行為とは、共有不動産の使い方や運用方針を決めるための行為です。
たとえば、賃貸物件に出すかどうかの判断や入居者募集、管理会社の選定などが含まれます。
管理行為は、共有者全員の同意ではなく、持分の過半数で決められるのが基本です。
ただし、内容によっては生活や収支に影響しやすいため、事前に方針をすり合わせておくと良いでしょう。
あわせて、管理費や修繕費などの負担も、持分割合を基本にルールを決めておくと、後の精算がスムーズになります。
後の問題を未然に防ぐためにも、話し合いの結果は議事録として残しておくことが大切です。

全員の同意が必要な処分行為

処分行為とは、共有不動産を売却したり、権利関係を大きく変えたりする重要な行為です。
たとえば、不動産全体の売却は処分行為にあたり、進めるには共有者全員の同意をそろえる必要があります。
担保を設定する場合も全員の同意が求められるため、早めに共有者と段取りを確認しておくことが大切です。
なお、自分の持分だけであれば、単独で売却することもできます。
ただし、第三者が共有者にくわわると話し合いが難しくなることもあるため、事前に方針を共有しておきましょう。

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不動産の共有で起こりやすい3つのトラブル

不動産の共有で起こりやすい3つのトラブル

ここまで、共有持分の取り扱いについて解説しましたが、複数人で所有する際のリスクもおさえておきましょう。
最後に、不動産の共有で起こりやすい3つの問題と、その対処法について解説していきます。

共有者が多すぎる

相続が重なって共有者が増えすぎた状態は、一般に「メガ共有」と呼ばれます。
共有者が多いほど、日々の管理の相談でも意見がまとまりにくくなります。
とくに、不動産全体の売却のように全員の同意が必要な場面では、手続きが進むまでに時間がかかりやすい点に注意しましょう。
こうした状況を避けるには、最初の相続の段階で単独名義にする、または持分を整理しておく方法があります。
すでに共有になっている場合は、代表者を決めて連絡先を共有するなど、話し合いの土台を整えておくと進めやすくなります。
あわせて、持分の買い取りなどで権利関係を整理することも視野に入れ、早めに専門家へ相談しておくことが大切です。

連絡が取れない共有者がいる

共有者の中に連絡が取れない方がいると、話し合いが進みにくくなります。
とくに、不動産全体の売却などの処分行為は全員の同意が必要なため、1人と連絡がつかないだけで計画が止まることもあります。
そのため、引っ越しなどで住所が変わった際は、共有者同士で連絡先を更新しておくことが大切です。
連絡が途絶えた際は、まず登記上の住所を確認し、書面など記録が残る方法で連絡を試みましょう。
それでも反応がない場合は、戸籍や住民票を手がかりに所在を調べ、専門家に依頼すると進めやすくなります。
行方がわからない場合は、家庭裁判所で不在者財産管理人を選任してもらい、手続きを前に進める方法もあります。

話し合いがまとまらない場合の対処法

話し合いがどうしてもまとまらないときは、共有関係の解消を求める「共有物分割請求」という制度があります。
これは、裁判の手続きで解決を図る方法で、最終手段として検討されることが多いです。
一般的には当事者同士の協議から始まり、必要に応じて調停を経て、それでもまとまらなければ訴訟へ進みます。
裁判では、土地を物理的に分ける現物分割のほか、1人が取得して他の共有者に金銭を支払う「代償分割」も選択肢となります。
また、不動産を売却して代金を分ける「換価分割」が選ばれることもありますが、競売になると想定より価格が下がる場合もあるため、注意しましょう。
手続きが長引くほど負担も増えやすいため、早めに専門家へ相談し、現実的な落としどころを探していくことが大切です。

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まとめ

不動産の共有持分は物件に対する所有権割合を示し、相続・贈与・共同購入で生じるため、登記で早めに明確化することが大切です。
共有物件の行為は保存・管理・処分に分かれ、保存は単独で可能ですが、管理は持分過半数、処分は全員同意が必要になります。
共有者が増えすぎたり連絡不能だと揉めやすく、裁判に進むこともあるため、早い段階で専門家へ相談しておくと良いでしょう。

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