空き家問題の現状とは?所有者が知っておくべき原因と対策を解説

空き家問題の現状とは?所有者が知っておくべき原因と対策を解説

空き家を相続したり、長期間使用していない住宅をお持ちの方にとって、その管理や今後の活用方法は悩ましい問題となっているのではないでしょうか。
実際に、全国で増加し続ける空き家は、所有者だけでなく地域社会全体にもさまざまな影響を与える深刻な課題となっています。
そこで、空き家問題の現状と原因、そして具体的な対策について詳しく解説します。
空き家を所有している方は、ぜひ参考になさってください。

この記事の要点
Q:特定空家に指定されると固定資産税はどのくらい上がりますか?
A:特定空家に指定されると、土地の固定資産税は最大で6倍に増える可能性があります。
これは、これまで適用されていた「住宅用地の特例」という減税措置が解除され、本来の課税標準額に戻ってしまうためです。
さらに放置を続けると、行政による強制解体やその費用請求へと発展するリスクもゼロではないため、注意が必要です。

深刻化する空き家問題とは?

深刻化する空き家問題とは?

空き家問題とは、居住者のいない住宅が増加し、適切な管理がなされないことで生じる社会問題の総称です。
この問題は個人の所有者にとどまらず、地域の安全性や景観、経済に広範囲な影響を及ぼすとされています。
ここでは、深刻化している空き家問題とはなにか解説します。

現状の数字と規模

総務省の「令和5年 住宅・土地統計調査」によると、全国の空き家総件数は2023年時点で900万戸となり、過去最多を更新しました。
2018年(849万戸)と比べ51万戸の増加であり、総住宅数に占める空き家の割合(空き家率)は13.8%と、2018年(13.6%)から0.2ポイント上昇し、こちらも過去最高となっています。
また、空き家数のうち、「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」は385万戸と、2018年(349万戸)と比べ、37万戸の増加です。
この数字から、日本の住宅の約7軒に1軒が空き家という深刻な状況を示していることがわかります。
また、空き家数の推移をみると、これまで一貫して増加が続いており、1993年から2023年までの30年間で約2倍となっています。
空き家率を都道府県別にみると、和歌山県および徳島県が21.2%ともっとも高く、次いで山梨県が20.5%です。
なお、今後も空き家が増加することが予想されており、有効的な対策が求められています。

空き家問題が社会に与える影響

空き家問題は単に数の増加だけでなく、その質の問題も深刻化しています。
具体的には、適切な管理がなされない空き家は、建物の老朽化が進み、防災、防犯、衛生上の問題を引き起こすリスクが高まります。
また、周辺地域の不動産価値の下落や、地域コミュニティの活力低下など、経済的・社会的な影響も無視できません。
とくに老朽化した空き家は、台風や地震などの自然災害時に倒壊リスクが高く、近隣住民の安全を脅かす要因となっています。
さらに、不法侵入や放火のリスクも高まり、地域の治安悪化にもつながる可能性があるでしょう。

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空き家問題の原因

空き家問題の原因とされる要因

空き家問題が深刻化している背景には、複数の社会的要因が複雑に絡み合っています。
主要な原因を理解することで、効果的な対策を考えることができるでしょう。
ここでは、空き家問題の原因について解説します。

原因①高齢化による管理困難

日本の急速な高齢化社会の進展が、空き家問題の大きな要因の1つとなっています。
たとえば、高齢者が施設入所や子どもとの同居により住居を離れる際、元の住宅が空き家となるケースが急増しています。
また、高齢の所有者にとって、遠方にある実家の維持管理は物理的・経済的な負担が大きく、結果として放置されがちです。
相続により空き家を取得した子世代も、既に自身の住居を持っているため、実家を活用する必要性を感じないケースが多く見られます。
さらに、高齢者の住宅に対する愛着や思い入れが強く、売却や解体に踏み切れないという心理的な要因も影響しているといえるでしょう。
これらの要因が重なり合い、管理が行き届かない空き家の増加につながっていると考えられます。

原因➁管理コストと労力の問題

空き家の維持管理には、継続的なコストと労力が必要です。
定期的な清掃、草刈り、修繕、光熱費の基本料金、固定資産税の支払いなど、使用していない住宅にも相当な費用がかかります。
とくに遠方に住む相続人にとって、定期的な巡回や管理は時間的・経済的負担が大きく、専門業者に委託する場合も年間数十万円のコストが発生します。
このような負担の重さから、管理を諦めてしまう所有者が少なくありません。
また、老朽化が進んだ空き家では、屋根の修繕や外壁の補修など、まとまった費用が必要な工事が頻繁に発生します。
これらの費用対効果を考えると、所有者が管理を継続する動機を失いやすい状況が生まれているといえるでしょう。

原因③需要と供給のミスマッチ

人口減少が進む地域では住宅を求める世帯数が減少する一方で、これまでに建設された住宅は数多く残存しており、住宅の供給過多状態が続いています。
また、日本の住宅市場では新築住宅への志向が強く、中古住宅の需要が極めて少ないことが空き家問題を深刻化させている原因の1つです。
数字で見ると、住宅全体に対して中古住宅は14.7%と低く、中古住宅の需要が少ないことが明らかです。
そうなれば、いざ中古住宅を売却しようと思っても買い手がつかず、結果的に空き家のままになってしまいます。
さらに、新築住宅は住宅ローン控除を受けられたり、住まい給付金が支給されたりするなど優遇される傾向にあるため、中古住宅はますます需要が少なくなってしまいます。

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空き家問題に有効な対策とは?

空き家問題に有効な対策とは?

深刻化する空き家問題への対応として、国や自治体による制度整備と民間での取り組みが進められています。
ここでは、空き家問題の対策について解説します。

空き家等対策特別措置法による規制強化

2015年に「空き家対策特別措置法」が施行され、空き家問題への法的対応が本格的に始まりました。
この法律により、市町村は危険な「特定空家」に対して、所有者へ改善指導や撤去命令を出せるようになりました。
特定空家に指定されると、これまで受けられていた固定資産税の軽減措置がなくなり、税額が大幅に跳ね上がります。
この税負担の増加により、所有者に空き家の解体や適切な管理を促す狙いがあります。

空き家バンクによる流通促進

多くの自治体が「空き家バンク」という仕組みを導入し、空き家の再活用を進めています。
これは所有者が売りたい・貸したい空き家の情報を自治体が集めて、住みたい人とマッチングするサービスです。
空き家バンクの最大の特徴は、自治体が運営することで安心感があり、移住支援や改修補助金などの制度と組み合わせて利用できることです。
空き家の所有にお困りという方は、空き家バンクの利用を検討してみるのも1つの方法でしょう。

空き家を売却する

空き家問題を完全に解決するもっとも効果的な方法は、売却です。
売却すれば、所有者は管理の手間と費用から解放され、買い手は住まいを手に入れることができ、お互いにとってメリットが得られます。
売却を成功させるポイントは、現実的な価格をつけることです。
周辺の売買事例を調べ、建物の傷み具合や立地条件を踏まえて適正な価格を設定する必要があります。
売却前に簡単な清掃や小規模な修繕をおこなうことで、買い手の印象を良くすることも大切です。
また、税制面では、相続で取得した空き家を売却する際の特別控除制度があり、3,000万円まで譲渡益が非課税になります。

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まとめ

空き家問題は、日本全体で進む高齢化と人口減少が根本的な原因となって生まれた、複数の要因が絡み合う問題です。
現在900万戸を超える空き家は今後も増加が予想され、所有者個人だけでなく地域社会全体での取り組みが不可欠となっています。
空き家の所有でお困りの場合は、空き家バンクの利用や売却などで早めに対策を講じることが大切といえるでしょう。

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